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「やれと言われればやりますけど」の違和感の正体

今朝のミーティングで、営業マンが上司に怒られていた。歳は上司の方が下なので、怒っている方が敬語、怒られている方がタメ口という違和感のある関係だ。

怒られていた内容は、要するに、営業マンなのに積極的に売り込まないという姿勢についてという、新卒への説教みたいな内容だった。

上司が「もっと積極的に色々な方法で提案してみては?」というと、言い訳ばかり並べて、話が進まない。終いには、「やれと言われればやるけど」というような回答をしていて、どうしようもなかった。

「やれと言われればやるけど」という他人事的な発言に違和感を覚えたが、その違和感の正体がはっきりしなかったので、納得できるように、例え話に置き換えてみる。

 

上司が先輩、営業マンが後輩、取締役がOBだとして、「合コン」というシチュエーションで考えてみたい。

OBが、飯代は全部払ってやるから、女の子を用意しろと言ってきた。先輩が後輩を誘い、3対3での合コンをセッティングすることになった。店はOBが用意してくれた、そこそこ高級な中華で、日付も決まっている。

先輩は可愛い女の子を2人アサインして、後輩に1人だけ連れてきて欲しいと頼んだ。ここで後輩が言う。「みんな最近忙しいから来ないですよ、たぶん」。

 

先輩「いや、とりあえず知り合いの子に連絡してみてよ。アプリ使ったり、ナンパしたりとか、なんか方法あるでしょ!」

後輩「でもナンパでついてくるような女の子、高級中華の味とか分からないんじゃないすか?」

先輩「なんで断定できるの?人によるでしょ!」

後輩「知り合いに可愛い子はいるんですけど、中華が好きかどうかわかんないですよ」

先輩「聞いてみてくれる?」

後輩「やれと言われればやりますけど……

 

いや、お前、お金払ってもらうわけだし、参加したいなら少しは協力しろよ。女の子呼べなかったとしても、姿勢を示せよ。そしたら2人しか連れてこれなかったとしても、OBを説得できるかもしれないじゃん!

 

これが合コンなら、「じゃあお前来なくていいよ」で、他の後輩を誘えばいいだけだが、日本の会社で解雇は容易ではない。このような言い逃れ営業マンがウヨウヨしているのだろう。

そして俺にはわかる。この後輩は、知り合いの女の子に連絡するが、「来週末、先輩と合コンするんだけど、来れないよね?先輩もおじさんだし、キツかったら無理しなくていいよ!」みたいなラインを送り、「やめとく~」という返事をもらう。

 

そして、「ダメでしたわ」という回答を合コン前日に持って帰ってきて、OBがブチ切れる。怒られるのは先輩だ。

 

このシチュエーションだったら、自分の否が明らかだと認識できると思うのだが、会社だとそれが曖昧になってしまう。どうしてなのだろう。もしかすると、雇用が守られるシステムと、毎月振り込まれる給与のせいで危機感を覚えることができず、このような状況が生まれてしまうのかもしれない。

 

さあ、俺もそろそろ仕事に戻ろう。