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『イミテーション・ゲーム』は、孤独な男の内なる戦争の話

ベネディクト・カンバーバッチ主演の『イミテーション・ゲーム』を観た。

第二次世界大戦のドイツ軍の暗号”エニグマ”を解いて、連合軍を勝利に導いたにも関わらず、その功績は50年間も秘密にされていたそう。誰にも讃えられることなく、多くの人の命を救った数学者達は、自分の功績を自慢したくなったりしなかったのだろうか?

俺は、誰かに伝えたいけど、わざわざ伝える必要のないこと、伝わらないだろうと思うことを、いつか誰かに伝わってほしいと思いながら、このブログに書いている。でもきっと、誰にも伝わらなくても、世の中の役に立っていると実感できれば、伝わってほしいなんて思わないのだろう。

この映画では、主人公アラン・チューリングの本当の目的は、失った最愛の友人を数学と科学の力で蘇らそうとしているかのように描かれている。本当のところは未知だが、彼の目的が他人からの承認や名誉などではなかったのは確かだろう。

不利な戦争をひっくり返す一役を担う歴史的偉業を成し遂げながらも、同性愛者だというだけで犯罪者にされ自殺に追い込まれたチューリング。彼が作ったコンピューターは、戦後さらに発展して、いくつもの領域で人間を凌駕するほどの能力を持った。

そして今、「新しい石油」と呼ばれるほどデータというものが貴重なものとなり、チューリングらが暗号を解読していたように、様々な業界でアナリストたちがデータを解読している。

俺もデータを扱う世界につま先だけ入った。誰にも讃えられなくてもいいし、俺のお陰だなんて思ってもらえなくたっていいから、楽しい世界を作ることに、少しでも貢献したい。